右と左がわからない

バタネン西川 著

ウソだって言われるかもしんないけど、右と左がわからない。

まったくわからないわけじゃないけど、イマイチわからない。

私は元々左利きだったんだけど、

幼い頃に親に直されて文字を書いたりするのは右手になった。

しかし箸を持つ手は今でも左手。

直らなかったのか直さなかったのかはわからないけど、

ペンを持つのは右手で、箸を持つの左手。

たぶんこんな事をしていたから、

自然に身に付くはずの左右の認識がおかしくなったんだと思う。

 

今、「右手上げて」と急に言われたら、まず指で字を動作をする。

それでスムーズに字を書けたほうが右手。

普通の人は何も考えずに「右手上げて」と言われたら、

右手を上げるんだろうけど、

イマイチわからない私は、まず右がどっちかを確認してから右手を上げる。

今はこういう方法をとっているが、中学生ぐらいまでは、

「西を向いて南が左、北が右」ということをやっていた。

 

左右の認識は特にスポーツなどでは急を要する。

「左!」って言われても、まず反応できない。

鈍いわけではない。左がどっちかがすぐにはわからないのだ。

車の運転も同様に、免許を取るため教習所に通っていた頃、

助手席に乗った教官に「そこ右折」って言われても、

どっちに曲がればいいんだかそう簡単にはわからない。

 

このままではいけないと色々なことを試みたが、

目立った成果はみられないかった。

やはり成長期に自然に身に付くものが身に付かなかったら

今ではどうすることもできないらしい。

「7の次は何?」と聞かれて、普通は「8」と当たり前に答えられる。

でも「12345678910」とリズムでしか憶えてない人は

「7の次?え〜と12345678、、だから、8!」

こういう風にしか答えられない。

まぁ実際にそういう人がいるかはわからないが、

私の「右と左」もこんな感じなのだ。

 

もし街でたまたま私を見かけたら、「右肩にゴミ付いてるよ」って言ってみな。

まず右肩がどっちか考えてるから。

 

 

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